タスクマネージャーを開くたびにメモリ使用率がほぼ100%になっていると、動作がもたつく・アプリが固まるなど日常的なストレスにつながります。原因はスタートアップアプリやブラウザのタブだけでなく、2025年12月以降のWindows Updateで報告されている「配信の最適化」のメモリリークが関係しているケースもあります。本記事では、追加費用のかからない無料の方法だけを厳選して、原因の調べ方から具体的な対処手順まで初心者にもわかりやすく解説します。
まずは現状確認:タスクマネージャーでメモリ使用率と原因を見る
対処法を試す前に、どのプロセスがメモリを圧迫しているのかを確認しておくと、どの方法から試すべきかの判断がスムーズになります。
タスクマネージャーでメモリ使用量の多いプロセスを確認する
まずは何がメモリを使っているのかを特定します。所要時間は3分程度です。
タスクマネージャーが直接起動します。タスクバーを右クリックして「タスクマネージャー」を選ぶ方法でも構いません。
メモリ使用量が多い順に並び替わり、原因となっているアプリ・プロセスが上位に表示されます。
「使用中」「利用可能」「コミット済み」の数値と、現在の使用率の推移グラフを確認できます。
何もしていないアイドル時のメモリ使用率は40〜60%程度が一般的な目安です。常時90%以上に張り付いている場合は、以下の原因一覧を確認しながら対処を進めましょう。
なぜメモリ使用率が常に100%になるのか(原因一覧)
メモリ使用率が高止まりする背景には、主に次のようなパターンがあります。自分の状況に近いものを確認してから対処法に進むとスムーズです。
スタートアップアプリの多さ
PC起動時に多数のアプリが自動起動し、使う前からメモリを占有している。
ブラウザのタブの開きすぎ
Chromeなどはタブ1つあたり100〜500MB程度を消費するため、多数開くと数GBに達することもある。
バックグラウンドアプリ・サービス
使っていないアプリやサービスが裏で動き続け、常時メモリを消費している。
Windows Updateの不具合
2025年12月以降、更新プログラムの「配信の最適化」機能がメモリを解放しない不具合が報告されている。
SysMainの先読みが逆効果になるケース
アプリの先読み機能が、メモリの少ないPCやSSD搭載PCではかえってメモリを圧迫することがある。
マルウェア・不正プログラム
気づかないうちに不正なプログラムがバックグラウンドで動作し、メモリやCPUを消費している。
特定アプリのメモリリーク
アプリ自体のバグにより、使い続けるほどメモリの解放漏れが蓄積していく。
物理メモリの絶対的な不足
Windows自体が起動直後から3GB前後を消費するため、搭載メモリが4〜8GBだと常に余裕がない。
方法① 不要なプロセス・アプリを強制終了する(応急処置)
タスクマネージャーから不要なプロセスを終了する
今すぐメモリの空きを作りたいときの応急処置です。所要時間は1分程度ですが、根本対処にはなりません。
メモリ使用量順に並び替えておくと対象を見つけやすくなります。
保存していない作業がある場合は、先にファイルを保存してから終了してください。
名前の分からないプロセスや、Windowsの動作に関わるシステムプロセスをむやみに終了すると、動作が不安定になる場合があります。不明な場合はプロセス名を検索して役割を確認してから操作してください。
方法② スタートアップアプリを整理する
起動時の影響が「高」のアプリを無効化する
PC起動と同時に立ち上がるアプリを減らすことで、常時消費されるメモリのベースラインを下げられます。所要時間は5〜10分程度です。
各アプリの横に「起動時の影響」(高・中・低)が表示されます。
Adobe Creative Cloud、Discord、各種チャットアプリなど、常時起動しておく必要のないものが対象になりやすい項目です。
普段すぐに使わないアプリから順にオフにしていきます。
再起動後にタスクマネージャーでメモリ使用率が下がっているか確認しましょう。
セキュリティソフトやOneDriveなど、無効化すべきでないアプリも含まれます。役割が分からないアプリ名は、無効化する前に一度検索して確認しておくと安心です。
方法③ バックグラウンドアプリの実行を制限する
アプリごとにバックグラウンド動作の許可を「なし」にする
画面に表示していない間もメモリを使い続けるアプリの動作を制限します。所要時間は5分程度です。
一覧から制限したいアプリを探します。
アプリごとの詳細設定画面が開きます。
常用しないアプリから順に設定していくと効率的です。
方法④【2026年最新】「配信の最適化」のメモリリークを止める
2025年12月上旬の更新プログラム配信以降、Windows Updateの高速化を担う「配信の最適化」(サービス名:DoSvc)がメモリを解放し続けず、数GBから最大20GB規模までメモリ使用量が膨れ上がるという報告が国内外で相次いでいます。本記事の執筆時点(2026年8月)でも、Microsoftからの公式な修正パッチの配布は確認されていません。心当たりのある方は次の手順で設定を見直してみてください。
「配信の最適化」で他PCとのやり取りをオフにする
配信の最適化は、更新プログラムを同じネットワーク内や他のPCともやり取りしてダウンロードを高速化する機能です。個人利用ではオフにしても影響は小さいため、メモリ問題の解消を優先する価値があります。所要時間は5分程度です。
スタートメニューの歯車アイコンからも開けます。
配信の最適化専用の設定画面が表示されます。
これにより、他のPCとの更新プログラムのやり取りが行われなくなります。
設定を変更してもすぐに反映されない場合は、PCを再起動してメモリ使用量が落ち着くか確認してください。
自宅で1台だけ使っている場合など個人利用では、オフにしても更新プログラムのダウンロード自体は通常通り行われます。ネットワーク帯域の節約効果は失われますが、メモリリークが疑われる場合はオフにしておくことをおすすめします。
方法⑤ SysMain(旧Superfetch)サービスを無効にする(該当PCのみ)
services.mscからSysMainを無効化する
SysMainはよく使うアプリをあらかじめメモリに読み込んでおく機能ですが、メモリが少ないPCやSSD搭載PCでは、かえってメモリを圧迫し動作が不安定になることがあります。所要時間は5分程度です。
サービス管理画面が開きます。
アルファベット順・五十音順に並んでいるため「S」付近を確認します。
プルダウンから選択できます。
設定完了後、PCを再起動して変化を確認してください。
HDD搭載の古いPCではSysMainが有効な方が体感速度に寄与する場合もあります。無効化後に動作が遅く感じる場合は、元の設定(自動)に戻すことも検討してください。
方法⑥ AppX Deployment Serviceの自動起動を見直す(上級者向け・該当PCのみ)
一部の環境向けの対処法です。仕組みを理解した上で試してください。不安な場合は無理に行う必要はありません。
AppX Deployment Serviceのスタートアップを「手動」に変更する
Microsoft Storeアプリの管理を担うAppX Deployment Service(AppXSVC)が、環境によっては常時自動起動する設定になっており、バックグラウンドでメモリを使い続けるケースが報告されています。所要時間は5分程度です。
方法⑤と同じ画面です。
「A」付近に表示されています。
実行中の場合は「サービスの状態」欄の「停止」もクリックします。
「手動」に設定していても、Microsoft Storeアプリを使う際には自動的に起動するため、通常は利用に支障はありません。
Microsoft StoreアプリやWidgetsなどの動作に不具合が出た場合は、同じ手順で「スタートアップの種類」を「自動」に戻してください。
方法⑦ ブラウザのタブ・メモリ使用量を減らす
不要なタブを閉じ、ブラウザのメモリ節約機能を使う
Chromeなどのブラウザはタブ1つあたり100〜500MB程度のメモリを消費するため、多数のタブを開いたままにしていると使用率を大きく押し上げます。所要時間は5〜10分程度です。
後で見返したいページはブックマークに保存してから閉じましょう。
メモリ関連の設定項目が表示されます。
しばらく操作していないタブが自動的にスリープ状態になり、メモリが解放されます。
拡張機能も常時メモリを消費するため、不要なものは整理しておきましょう。
方法⑧ 不要なアプリをアンインストールする
使っていない容量の大きいアプリを削除する
アプリ自体を削除すれば、関連する常駐プロセスやバックグラウンド動作もまとめてなくなります。所要時間は10〜15分程度です。
一覧がすべて表示されます。
容量の大きいアプリほど、常駐時のメモリ消費量も大きい傾向があります。
案内に従って削除を完了させます。
方法⑨ マルウェアスキャンを実行する
Windowsセキュリティでフルスキャンを行う
不正なプログラムがバックグラウンドでメモリやCPUを消費しているケースもあります。標準搭載のWindowsセキュリティだけで無料で確認できます。所要時間はフルスキャンで数十分〜1時間程度です。
「ウイルスと脅威の防止」を選択します。
普段のクイックスキャンより時間はかかりますが、より詳しく確認できます。
検出があった場合は画面の案内に従って駆除・隔離を行ってください。
フルスキャン中はPCの動作が一時的に重くなることがあります。就寝前や外出前など、しばらく使わないタイミングで実行するのがおすすめです。
方法⑩ Windows Update・ドライバーを最新化する
更新プログラムとドライバーを最新の状態にする
過去のメモリリーク不具合が修正版で解消されている場合もあるため、更新状況を確認しておきましょう。所要時間は10〜30分程度です。
「更新プログラムのチェック」をクリックします。
インストール後、再起動を求められる場合があります。
グラフィックドライバーなどの更新でメモリ関連の不具合が改善することもあります。
方法④で触れた通り、更新プログラム自体が新たなメモリ問題の原因になっているケースもあります。更新後にかえって使用率が上がった場合は、方法④の「配信の最適化」の設定もあわせて確認してください。
方法⑪ 仮想メモリ(ページファイル)の設定を確認する
ページングファイルの自動管理設定を確認する
物理メモリが不足した際にディスクの一部を仮想メモリとして使う仕組みが正しく設定されているかを確認します。所要時間は5分程度です。
「システムの詳細設定の表示」をクリックします。
「パフォーマンスオプション」画面が開きます。
現在のページングファイルの設定状況が表示されます。
外れている場合はチェックを入れ、「OK」で確定してPCを再起動してください。
方法の比較表
まずは全体の難易度・効果・所要時間を一覧で確認しましょう。
| 方法 | 難易度 | 効果 | 所要時間 |
|---|---|---|---|
| 確認:タスクマネージャーで原因特定 | かんたん | 現状把握(前提作業) | 3分 |
| ① 不要プロセスの強制終了 | かんたん | 即効性あり(一時的) | 1分 |
| ② スタートアップアプリの整理 | かんたん | 高 | 5〜10分 |
| ③ バックグラウンドアプリの制限 | かんたん | 中 | 5分 |
| ④ 配信の最適化のリーク対策 | 普通 | 高 | 5分 |
| ⑤ SysMainの無効化 | 普通 | 中 | 5分 |
| ⑥ AppX Deployment Serviceの見直し | 難しい | 中(該当環境のみ) | 5分 |
| ⑦ ブラウザのタブ・メモリ整理 | かんたん | 中〜高 | 5〜10分 |
| ⑧ 不要アプリのアンインストール | かんたん | 中 | 10〜15分 |
| ⑨ マルウェアスキャン | かんたん | 原因次第で高い | 数十分〜1時間 |
| ⑩ Windows Update・ドライバー更新 | かんたん | 中 | 10〜30分 |
| ⑪ 仮想メモリの設定確認 | 普通 | 中 | 5分 |
効果が高い3方式の詳細比較
まず試す価値が高い「スタートアップアプリの整理」「配信の最適化のリーク対策」「ブラウザのタブ整理」を軸ごとに比較します。
| 比較軸 | スタートアップ整理 | 配信の最適化対策 | ブラウザのタブ整理 |
|---|---|---|---|
| 対象ユーザー | 常駐アプリが多い人 | 2025年12月以降に急に重くなった人 | ブラウザで多数タブを開く人 |
| 難易度 | かんたん | 普通 | かんたん |
| 所要時間 | 5〜10分 | 5分 | 5〜10分 |
| 効果の持続性 | 継続的 | 継続的(不具合修正まで) | 使い方次第で継続的 |
| 費用 | 無料 | 無料 | 無料 |
まとめ・確認チェックリスト
メモリ使用率が常に100%になる原因は一つとは限りません。まずはタスクマネージャーで原因プロセスを特定し、スタートアップアプリの整理やブラウザのタブ整理といった手軽な方法から試し、改善しない場合は「配信の最適化」やSysMainなどサービス関連の設定を見直していくのが効率的です。以下のチェックリストで対応漏れがないか確認してください。
- タスクマネージャーでメモリ使用率と原因プロセスを確認した
- 不要なプロセス・アプリを終了して応急処置を行った
- スタートアップアプリのうち「起動時の影響:高」のものを整理した
- 不要なアプリのバックグラウンド動作を制限した
- 2025年12月以降に重くなった場合は「配信の最適化」の設定を確認した
- メモリが少ないPC・SSD搭載PCではSysMainの無効化を検討した
- ブラウザのタブを整理し、メモリセーバーを有効にした
- 使っていない容量の大きいアプリをアンインストールした
- Windowsセキュリティでマルウェアスキャンを実行した
- Windows Update・ドライバーを最新の状態にした
- 仮想メモリ(ページングファイル)が自動管理になっているか確認した
特別な理由がない限り、まずは「不要プロセスの終了」「スタートアップアプリの整理」「ブラウザのタブ整理」「配信の最適化の設定確認」の4つを試すだけでも、多くのケースで体感できる改善が期待できます。
上記の無料の方法をすべて試してもメモリ使用率が高いまま改善しない場合は、搭載メモリそのものが不足している可能性があります。タスクマネージャーの「パフォーマンス」タブ→「メモリ」で「スロットの使用状況」を確認し、増設スロットに空きがあればメモリ増設が有効な選択肢になります(この方法のみハードウェア購入が必要な有料の対応です)。増設が難しい場合は、本記事の無料の方法を組み合わせて運用でカバーしていきましょう。









